3Dプリンタ体験ワークショップ 実施報告書
本ワークショップは、見附市の中学生を対象に3Dプリンタを用いた本格的なものづくりを体験する特別企画として実施しました。地元DX担当者向け「見附DX研究会」の活動の一環として、地域の若い世代に最先端技術を身近に感じてもらうことを目指しました。参加者は全員「スパルタコース」(1人1台のパソコンを使用したゼロからの3Dモデリングと印刷)を選択し、最終的には全員がオリジナル作品の製作に成功しました。
1.実施目的
- 3Dプリンタ技術の実践的なスキルの習得
- ものづくりのプロセスを通じた創造力と問題解決力の育成
- 家で3Dプリンタを使用するイメージを持たせ、技術への興味を深める
2. 実施内容
2.1 スケジュール
開始時間:13:00~ 総時間: 約2時間30分
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時間 |
内容 |
詳細 |
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10分 |
はじめに |
講師の自己紹介、ワークショップの目的説明 |
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20分 |
3Dプリンタ紹介 |
FDM・SLA方式の違い、素材(PLA、ABS等)の特徴、産業活用例(医療、建築、身近な活用例等)の紹介 |
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90分 |
作品づくり |
3Dモデリングソフトの操作指導、オリジナル形状の設計(スパルタコース)、プリント工程の見学・体験 |
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40分 |
作品製作 (同時並行印刷) |
参加者がデザインした作品を、作成順に各20分で1台の3Dプリンタを用いて印刷 ※うち2名は時間内に印刷が終わらなかった為、後日中学校まで持ち込み |
2.2 使用機材・環境
- 機材:
- 3Dプリンタ: Bambu Lab A1 mini(FDM方式、1台、主催者個人物持ち込み)
- パソコン: 5台(1人1台体制+講師分、主催者個人物持ち込み)
- 素材: PLA 2種類
- ソフトウェア: スライサーソフト(簡易3Dモデリングツール)
2.3 課題
- スパルタコース: 参加者全員が複数の基本パーツを加工(回転・拡縮・カット・結合)してオリジナル形状を設計。紙上での設計後、3Dモデリングソフトで実装し、印刷まで実施。
- 特徴: 近隣自治体の体験会(名前を入力し印刷するだけの 思い出コース として本会でも選択可能)では提供されない本格的なゼロからのものづくりを重視。参加者が自宅で3Dプリンタを活用できるよう、実践的なスキルを習得するカリキュラムを設計。
2.4 サポート体制
- 高専生の役割: 機材搬入・設置補助のほか、ワークショップ中はモデリング指導や質問対応を担当。年の近い高専生の関与により、参加者とのコミュニケーションが円滑に進んだ
3. 参加者の反応と成果
3.1 参加者数
- 中学生: 4名
3.2 成果物
- 全員がスパルタコースに挑戦し、オリジナル形状の作品(ネームタグ、キーホルダー)を設計・印刷。
- 1人1台のパソコンを使用し、モデリングから印刷までを自力で完結。
- 完成作品は参加者が持ち帰り、ものづくりの達成感を体験。
3.3 参加者の声(アンケート結果)
- 満足度: 5段階評価で4.3の評価。
- 主な感想:
- 「図形や文字、合成などのやり方がよく分かった」
- 「普段さわる機会がない3Dプリンターを使って自分の好きなものを創作できた」
- 「基本的な操作方法がよくわかり、わからないことを聞いたらわかりやすく教えてもらえた」
- 改善点の提案:
- 「いろいろなボタンがあってどれを押せばいいのか分かりにくい場面もあった」
4. 教育的意義
本ワークショップは、以下のような教育的な価値を提供しました。
- 実践的なスキル習得:スパルタコースを通じて、参加者が3Dモデリングから印刷までの一連のプロセスを習得。単なる体験に留まらず、実際の運用スキルを提供。
- 創造力と問題解決力の育成: ゼロから形状を設計する課題を通じて、論理的思考と創造力を養成。
- キャリア教育: 3Dプリンタの産業活用例(例: 初島駅の3Dプリント駅舎、人工血管、培養肉など)を紹介し、技術の将来性を体感。
- 地域貢献: 中学生に限定した少人数制(4名)により、きめ細やかな指導を実現。地域の次世代に最先端技術を届ける機会を提供。
5. 成功要因と課題
5.1 成功要因
本ワークショップが全員の作品製作成功に繋がった要因は以下の通りです。
- 中学生限定の少人数制: 4名に絞ったことで、個別指導が徹底できた。
- 1人1台のパソコン: 参加者全員が自分のペースでモデリングに集中できた。
- 高専生のサポート: 年の近い高専生が指導役として参加者の理解を促進。親しみやすい指導が緊張を和らげ、積極的な挑戦を後押し。
5.2 実施時の課題
- 1台の3Dプリンタでの同時並行印刷により、待ち時間が発生。
- スパルタコースは初心者にとって難易度が高く、指導時間を多く確保する必要があった。
- 機材搬入が主催者単独では困難で、高専生のサポートが必須だった。
5.3 今後の改善案
- 機材の増強: 3Dプリンタの台数を増やし、印刷の待ち時間を削減。(個人レベルでは困難)
- 事前準備の強化: レベル差に応じた手元資料を準備し、初心者向けにも分かりやすい資料を心掛ける。
- プログラムの拡充: 時間を延長し、より複雑なデザインに挑戦可能に。
- 継続的な学びの場: 定期開催や地域コミュニティを整備し、参加者が自宅での3Dプリンタ活用を継続できる環境を構築。
6. 今後の展望
本ワークショップの成功を受け、以下の方針で次回以降の開催を計画します。
- 差別化路線の継続: 長岡や三条の体験会との差別化を図り、「単なる体験」ではなく「自宅に本体が届いた日から即印刷可能なスキル習得」を目指す。
- スパルタコースの強化: 実践的なカリキュラムをさらに充実させ、参加者が技術を自立的に活用できるレベルを目標。
- 地域連携の拡大: 地域コミュニティや地元学校との連携を深め、定期的な技術教育の場を構築。
7. 結論
本ワークショップは、中学生4名が3Dプリンタを用いた本格的なものづくりを成功させ、技術の楽しさと可能性を体感する貴重な機会となりました。少人数制、1人1台のパソコン、高専生のサポートという独自の体制により、全員がスパルタコースを完遂し、高い満足度を得ました。教育委員会のご後援により、地域の若い世代に最先端技術を届けることができ、深く感謝申し上げます。
今後も見附DX研究会として、技術を活用した教育プログラムを展開し、地域の次世代育成に貢献してまいります。





